船長さんと私③

「おせえ」

「す、すいません」

「手前いつまで俺様を待たせりゃ気が済むんだ……あ?」

「いや、あのですね」

「言い訳は無用だ

 ビシィッと骨にヒビの入った船長さん。あぁこれは完全に怒っている。いくら謝っても許してもらえそうにない。それでも私には謝ることしか出来ないのでひたすら謝ったらはぁ、と溜息が漏れた。顔をあげたら船長さんはもういいや、と呆れた顔をしてこちらを見下ろしていた。しかしそれだけで果たしてこの人は許すだろうか?いや、そんなはずはない……とは思ったものの珍しくお仕置きはされずにすんだ。そのまま船長室をでて、思わず安堵の息を漏らす。

「はぁ」

「おろろ~ん……」

「今回はお仕置きされずに済みました」

 良かったねぇ、とでも言うようにゾンババは私の腰辺りにスリスリと頬ずりをしてきた。甲板に出て見れば天高くさんさんとした太陽が私達を照らしていた。もうお昼どきだと2人で今日は何を食べようか、なんて話をしていたらギィィと歯車の狂ったような音を立てて船長さんが外へとやってきた。

「っだあぁぁぁ……。くっそだりぃ……」

「今日はお早いですね船長さん」

「誰のせいだと思ってんだ、誰の」

「う……すいません本当に」

「……ったく。……心配かけやがって」

 最後にボソリと何かを呟いたがよく聞き取れなかった。なんて言ったのかと問うがなんでもねぇと返されたので、それ以上追求するのはやめた。船長さんが出てきてすぐゾンババは私から離れて船長さんの傍へトコトコとよっていった。やはり長く一緒にいたのは彼の方なので愛着もあるのだろう。こうして2人が並ぶと本当の親子のように見えてとても微笑ましい。

「おろろ~ん!」

「あーあーうっせぇな。俺様は今いそがしーんだよ」

「おろろ~ん?」

「しょうがねぇ野郎だなテメェは。ほら、離んじゃねぇぞ」

「どこかへお出かけですか?」

「あぁ、少しな。テメェも来るか?」

 どこへ行くのかは知らないがまだまだお昼どき、別に一人でも寂しくはないのだが彼らが帰ってくるまできっと暇なのでついていくことにした。
 船から降りてすぐに船長さんはゾンババに合図を送った。合図といってもただ単に指を鳴らしただけなのだが、途端にゾンババの周りが白いモヤで包まれた。かと思えばそこに大きな骨身のドラゴンが。これこそがゾンババの本来の姿である。骨がむき出しの身体に特徴的な頭の三本のツノが愛らしい。

「遠出ですか?」

「いいから黙ってついてこい」

「はぁ」

「オロロ~ン」

「おう、行く先は……言わなくても分かるだろ」

 どうやら何も知らないのは私だけのようだ。バサリ、と大きな羽音をたてゾンババは空へと舞い上がった。すぐにトロピコアイランドが小さくなってゆく。あぁ、あれがブラックスカル号だなんて一人で騒いでいたらガキか、なんて笑われたが。確かに成人はしていないが一応二百年過ごしているのだ。死んでいるから年はとらないのだが。そんなくだらない話をしていたら、いつの間にかゴロツキタウン上空を飛んでいた。

「ゾンババちゃん、早いですね」

「乗るのはコレが初めてだっけか?」

「そうですねー、今まではやることを済ませていなくてついていけませんでしたから」

「あー、そうだっけ?」

「はい、ですからこうしてご一緒出来るだなんて嬉しいです、なんだか成長したななんて思ってしまいます」

 何言ってんだと船長さんは笑った。一ヶ月経っても成長してねぇ奴なんてあるか、そんなの俺様はいらねぇよ。そう言って荒っぽく頭を撫でる。それは手前は成長しているぞ、という意味でとってもいいのだろうか?聞くのも野暮だと思ったし、何より当の本人は寝入ってしまった。空をふと見上げたら、雲ひとつない青空だった。

添削しまくったので話が繋がってないのですがご了承ください。

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